◆「たむじょー」の輝き

2021年5月15~16日に埼玉県の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にて開催された第63回東日本実業団陸上競技選手権大会に、陸上系Youtuberたちの姿が見られた。

特筆すべき活躍を見せたのは「たむじょー」だった。
(Youtubeチャンネルのリンクはこちら↓
→たむじょー【Tamujo】のYoutubeチャンネル

男子1500mに出場すると、最後は後続に大きな差をつけて組1位でゴールした。
もともと今年度から「1500mで3分50秒切りプロジェクト」をYoutubeの企画として進めていた。そのために、以前から交流のあった男子800mの元日本記録保持者である横田真人氏(TWO LAPS TRACK CLUB代表)のもとで、スピード練習も積んだ。同種目で日本トップクラスのアスリートである田母神 一喜(阿見AC)らに必死に食らいつき、周囲の評価を上げていった。横田氏からも「いつうち(TWO LAPS TRACK CLUB)に入るの?」などと声がけされるシーンもあった。

本大会がその集大成となる予定だったが今回のタイムはなんと3分50秒00。ゴール後には清々しい表情を見せ、一見目標達成できたかと思いきや、今回はあくまで3分50秒「切り」プロジェクト。まだまだこのプロジェクトは続くことをYoutube上で発表し、次のターゲットは7月に開催されるホクレン・チャレンジディスタンス、9月に開催される全日本実業団対抗陸上競技選手権大会とし、文句なしの目標達成を狙う。

■たむじょーのプロフィール
【本名】
田村丈哉
【年齢】
24歳(2021年現在)
【出身】
千葉県
【主な経歴】
帝京大学にて2年生時に箱根駅伝8区を、4年時には全日本大学駅伝にて1区を任される。副主将にも任命されている。
【主な戦績】
大学2年と4年次に関東インカレ2部3000m障害にて準優勝
同種目で日本インカレ5位の実績を持つ
【ベスト記録】
5000m:13分58秒
10000m:28分48秒
3000m障害:8分54秒
【主なYoutube上での活動】
様々なコスチュームや条件下での「走ってみた」系企画や横田真人氏や実業団チームのもとでの練習企画、
新しいシューズの紹介・検証企画などを行っている

◆苦しんだ「ハラケンちゃんねる」

一方で苦い思いをしたのは「ハラケンちゃんねる」の面々だ。
→ケンちゃん【ハラケンチャンネル】のYoutubeチャンネル
チャンネルのリーダーである「ケンちゃん」こと大貫健太を筆頭に計4名(+別チームとして1名)が熊谷に乗り込み、男子100m・男子4×100mRにエントリーした。

結果は、100mに「ケンちゃん」と「みわっち」こと三輪将之の両名が出場したのみで、同種目では他の2人は体調・故障から棄権、4×100mRも棄権となり、タイムも「ケンちゃん」は自己ベストから0.4秒前後の遅れ、みわっちはふくらはぎの故障のため歩いてのゴールという散々なものとなった。

ただ、彼らのこれまでの活動は陸上競技に関係する者なら評価しなければならない。
30歳を超えてから日本選手権出場を目指すことを目標とした「ケンちゃん」を筆頭に、運動音痴のフィジカルトレーナー「シダパン」やスマホアプリにはまって記録が出ないロングジャンパー「ざわちん」などの個性的なメンツが、スポーツバイオメカニクスや運動生理学の観点で、これから陸上を始める人や記録を伸ばしていきたい人向けに、全国の様々なアスリートからの学びと実践を通してメッセージを発信し続けている。動画編集にも力を入れ、随所に笑いや分かりやすくなるほどと思わせるエッセンスなどを随所に入れることで飽きさせないコンテンツを次々に公開し、今やチャンネル登録者も1.2万人を数え、影響力も徐々に増してきた。
競技レベルを問わず、陸上競技で記録向上を目指すにあたっては、基礎的な部分については下手な指導者に教わるよりも遥かにクオリティが高い情報を無料で受け取ることができる。

その中での努力を知っているだけに、チャンネル閲覧者からはため息が漏れた。
今後も自分たちの記録を証明書として発信した情報の価値を示すべく、再起を図る。

By 大澤

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