2022年9月23~25日に開催された第70回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会の女子1500mで豊田自動織機所属の田中希実が4分10秒41の大会新記録で優勝した。

マーガレット・アキドルとのラスト勝負でも田中に軍配

序盤は最後方からのレースとなった田中だが、2週目からはぐんぐんと順位を上げ、ラストスパートでもマーガレット・アキドル、後藤夢を突き放した。ゴール直後の余裕の表情はタイム差以上の力量の差を物語っていた。

レースを見ていた際に感じたのはラストスパートの力強さだった。淡々と地面に「置く」接地から、バネを感じる「蹴る」設置へと変わりかかっていた。これまでの田中の走りは腰高の重心で体の真下に接地する省エネ走法。それが少し重心を下げ、0.5~1足長程前方に接地し、以前よりも接地にタメを生む走りへ変化し、スプリント能力が東京五輪の時に比べ確実に向上している。

跳ねるように推進力を生む海外のトップアスリートと戦うために、田中は大きな武器を備えつつあるようだった。

By 大澤

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