日本グランプリシリーズ織田幹夫国際記念陸上が2025年4月29日に広島県のホットスタッフフィールド広島にて行われ、女子三段跳を髙島真織子(九電工)が13m96(+2.3)を跳び制した。追い風参考ではあるものの基準とは微差、かつシーズン序盤の記録として見ると東京世界陸上へ大きな一歩を踏み出したことになる。

髙島は1回目に13m56(-1.0)を跳ぶと、4回目に13m71(+1.0)、5回目に優勝記録を跳んだ。

「ちょっと安心しました。この1年、長かったです」と安堵の声を漏らした髙島。

昨年の織田記念で、ウォーミングアップ中に右ハムストリングスを肉離れ。ブダペスト世界選手権出場に続いて狙ったパリ五輪への道を絶たれた。会場に来る時には「右脚がうずいた」と冗談めいて笑った。

昨年秋にコーチから「絶対にこっちの方がいい」と勧められ、ステップの際にダブルアームを取り入れた。

~~★ワンポイントメモ★~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
跳躍の際に、走るのと同様に片腕ずつ前後に振るのがシングルアーム。
両腕とも前方に振り出すのがダブルアーム。
┗両腕を振る重さが跳躍時にかかることから、タイミングがズレると跳躍そのものが潰れてしまうリスクはあるが、ぴったりはまると強い推進力を生むことができるハイリスクハイリターンなフォーム。
 極めて高い身体操作センスと練度が必要だが、それを前シーズンからの取り組みでモノにしていることもまた評価を高めている。
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「当初は戸惑いもあった」というが、これまでステップとジャンプでそれぞれ左右に軸がぶれてしまっていたのが一気に安定、それぞれの接地時間も短くなり、一瞬に力を集約できている印象を受けた。
「上半身が必要」と肉体改造にも着手し、身体もたくましくなった。

この日は「1本目から向かい風でも記録を残せて、自分の跳躍に集中できました」と言う。昨年は追い風参考で14m08(+3.7)を跳んでいるが、「14m10以上は見えてきました」と手応えをつかんでいる。

パリ五輪を逃しただけに、「すぐに切り替えられましたが、ロス五輪、もちろん東京世界選手権も出たい。できれば14m55(参加標準記録)を切って出たい」と力強く語った。

By 大澤

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