2024年5月18日、第66回東日本実業団陸上競技選手権にて、男子5000m競歩でパリ五輪20㎞競歩代表の濱西諒(サンベルクス)が18分16秒97の日本新記録を樹立した。

気温28度、トラック上の温度はおそらく30度を超えていただろう。選手のおびただしい汗の量が当日のレースの過酷さを物語っていた。
レース開始と同時に濱西と吉川絢斗のサンベルクスコンビが飛び出し、2000mを通過した時点では濱西がほぼ独走。ひときわシャープでダイナミックなフォームは猛暑の中でも衰えることなく、3000m地点では吉川を100m以上突き放し、最後は両手を挙げてゴールした。

振り返ればスタートからからゴールまで1位を譲らずの完全勝利。同じパリ五輪代表の池田向希(旭化成)が作った18分20秒14を約3年7か月ぶりに塗り替える日本新記録。これ以上ないパリへの弾みとなった。

「前回の(日本記録が出た)池田さんの時は、後ろから見ていて次元が違うと思って見ていました。それを超えられたのは夏に向けて自信になりました。記録が出た瞬間はめちゃくちゃうれしかったです。初めての日本記録なのでめちゃくちゃうれしいです」と笑顔を見せた濱西。

「内定も発表されて実感もかなり出てきたので、20㎞のタイム的にはメダルも狙える位置にいると思うので、メダル獲得っていう所を一番に考えています」と意気込む。

濱西は2000年生まれの24歳。大阪出身で豊中四中で長距離を始め、履正社高で競歩をスタート。高校時代は国体を制するなど世代トップウォーカーの1人だった。 明大を卒業後、スーパーマーケット「スーパーベルクス」で店舗に立って勤務しながら競技を継続していた。1年目だった今年2月の日本選手権20km競歩で2位に入るとともに、日本歴代6位となる1時間17分42秒をマークして派遣設定記録(1時間19分30秒)も突破、パリ五輪代表に内定していた。

世界でも御家芸化しつつある日本男子の競歩。好調を維持して彼もまた世界の舞台に名を刻めるだろうか。

By 大澤

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